遠い日の恋敵、
私は誕生日が三月三十日だ、もう少しで翌学年になる所だ。
同級生に特にハンディを感じる事はなかったが、チビだった。
I 君という転校生が来る中一まで、朝礼は一番まえだった。
I 君はチビの私が見下ろすチビだった。
私は二番になった。中三になった、上の方は入れ替わっても
I 君との二人の序列は不動だった。
修学旅行で京都,奈良、に行った。列車を降りてバスに乗る。
ガイドさんはきれいな人だった、前の方に I 君と座る。
前にいる二人に何かとガイドさんは話しかける。
私はときめき、うれしかった。 I 君はクールだった。
I 君はヒョウキンだったが幼かった、おみやげに刀と水鉄砲を
買っていた。二日目、横整列をした時 I 君は水鉄砲の
調整に余念がなかった、「きゃ~」と言うガイドさん(声もきれい)
振り返るみんな、I 君が赤くなって下を向いている。
「いけない人ね」と優しくガイドさん、I 君さらに赤くなる。
調整に失敗した水鉄砲が見事にスカートと足を濡らした。
以後、ガイドさんの関心は I 君の独り占めだった。(ような?)
わたしは「やられた」と思った、意図的でないだけに【運命】とは
こういうものか、などと当時思った。半世紀前の思い出。
以後、I 君を油断ならない奴、と尊敬した。



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