天気晴朗なれど
きのう、南の風に追われて枝垂桜のはなびらが舞い踊っていた。
まるで、桜の精が薄衣で軽やかに舞っているかのようだった。
昼過ぎには、地表から、たんぽぽ達が吾子と永の別れの
見送りをしていた、胞子たちはまるで(しろっこ)のように
希望をだいて振り返りもせずに北に旅立った、春たけなわだ。
夕べの雨で散ってしまうかと思ったが、半分以上残り、今朝は
いわゆる、葉桜の妙を見せていた、のどかな春の日に
なりそうだった。しかし突然、我が寄宿人たちに緊急事態が
発生、卵を抱え始めた我家のツバメに対し、何処よりともなく
きたツバメのアベックが立ち退き、明け渡しを迫っているらしい、
一羽は卵を抱えているので2対1の戦闘が始まった。
ギチギチギチギュウ、ギチギチギュウー、と一坪半位の
玄関の中で熾烈な戦いだ。手助けしたいが、どれが敵か
どれが味方か分らない、第一手が出ない、仕方ないので
「がんばれ、まけるな」と云うしかない、疲れるらしく途中休憩
も挟んで約30分、激闘の末追い払った、見分けが付かないので
亭主が追い払ったのか、女房が勝ったのか分らんが
とにかく勝った。西部開拓史で原住民のインディアンが白人を
撃退した気分、メデタシ、メデタシ。妻いわく、「去年巣立った子が
来たのかしらねェ」 そう聞いたら一寸複雑、突然来てあれだけ
主張するのだから、そうかも知れない。メデタシも半減だが
なんとか、いい住処と家庭を築いてと願う。
午後は曇っていたが風もなく平穏だった。


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